なかのぶ歯科 歯科医師 間中広明です。
今回は、判断が難しい初期の虫歯についてです。
一般的にはC1と呼ばれ、エナメル質のう蝕となります。
歯は三層から重なりあってできています。
内側から、神経、象牙質、エナメル質という順です。
エナメル質とは、歯の一番外側を覆っているとても硬い組織で
人間の体の中でも最も硬い組織でもあります。
そのため、このエナメル質とは本来虫歯菌が産生する酸に対する抵抗性も高く、虫歯にはなりにくい場所です。
仮に酸によって少し表面が溶かされたとしても
自分で治せる「再石灰化」によって元の健康な状態に戻ることもあります。
そのため、判断が難しいと感じています。
しかしこれらのエナメル質の防御機構を持ってしてでも
エナメル質に穴が開いてしまう事があります。
これは虫歯の原因である細菌の塊の「プラーク」が長時間に渡り歯の表面に残ってしまっている事が原因の1つです。
これは例えば毎日歯磨きをしている方でも、歯ブラシがうまく当たらない部分や汚れが溜まりやすい部分があるため
まずはその部位をご自身で把握していただく事が重要になります
そしてどのように磨けばうまく汚れが落とせるのか?またはどのような道具を使えば落としやすいのか?ということを理解していただく事がとても大切になります。
エナメル質う蝕になってしまった場合
虫歯がエナメル質の層の中で留まっている場合は、進行は比較的ゆっくりなので慎重に経過を観察することにより、進行を抑える事ができる場合もあります。私はこれを1番おすすめします。
しかし1度穴が開いてしまうとそこが自然と塞がることはありませんので
汚れが溜まりやすくなったり、そこからさらに内部の象牙質まで虫歯が進行してしまう事も少なくありません。
このようなリスクが疑われる場合は早期に虫歯を除去して
そこの部分を樹脂の材料で詰める治療が必要になる場合もあります。
虫歯にならないのが1番ですが、それでも虫歯になってしまった場合には
できるだけ早期発見し、患者さんがこの虫歯をコントロールできるのか?
見極めていく力が歯医者さんには必要です。
仮に穴があいてしまった場合でも早期治療をすることにより虫歯は小さいので患者さんの負担を軽減する事ができます。
なるべく痛みが出る前に、検診に来ていただく事をお勧めです。
最後までお読みいただきありがとうございました。